書 籍:愚か者の石
著 者:河﨑秋子
出版社:小学館
発行日:2024年6月3日 第1刷発行(今回は初版第1刷を購入することができました)
【目次】
第一章 北の野辺
第二章 更なる果てへ
第三章 埋もれた光
2024年、小説『ともぐい』で直木賞を受賞したことで著者の名前を知りました。
タイトルがとてもインパクトがあります。
著者は別海町出身ですが、帯広大谷高等学校を卒業しています。
そのため、高校の道路沿いに著者の横断幕が飾られています。
おもな登場人物は、主人公の囚人である瀬戸内巽、主人公と同じ部屋で生活する囚人の山本大二郎、そして、看守の中田末吉です。
「明治十八年、初夏。瀬戸内巽は樺戸集治監に送られる囚人の一人として、石狩川を上る汽船に揺られていた。」
国事犯として、徒刑13年。
そこから物語は始まります。
主人公は樺戸集治監(現在の月形町)に投獄されましたが、目次のとおり、別の集治監へ移動させられることになりました。
それが釧路集治監です。
釧路集治監は標茶町にあり、囚人の仕事は硫黄山から硫黄を掘ることでした。
しかし、噴出する蒸気や亜硫酸ガスの発生などにより、体調を崩す者が現れました。
現場で作業する囚人はもちろんですが、それを監視する看守も体調を崩しました。
私は、釧路に集治監があることを初めて知りました。
そして、囚人の仕事が硫黄を掘って運搬していたことも初めて知りました。
網走監獄を見学したことがあります。
そこでは、囚人の当時の生活や服装、牢獄の造りなどが生々しく展示されています。
また、国道39号が囚人によってつくられたことなどが紹介されています。
こちらの書籍を読んで、当時の集治監や囚人の様子をもっと知りたくなりました。
帯広市には、十勝監獄石油庫が現存しています。
また、帯広百年記念館には十勝監獄のことが展示されています。
標茶にも博物館があるので、訪れようと思います。
囚人服は、なぜ赭色や柿色なのか?
「石」がもたらした出来事とは?
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