書 籍:13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海
著 者:田中孝幸
出版社:東洋経済新報社
発行日:2022年3月10日 第1刷発行(同年9月14日 第9刷を購入しました)
こちらの書籍も、出口治明さんの著書『一気読み世界史』と同じように、Instagramの広告で知りました。
大樹(高校1年生)、大樹の妹である杏(中学1年生)、そしてカイゾク(年齢不詳)の3人が登場し、すべて口語体で書き記されています。
また、読者の基準を13歳以上に設定しているため、とても理解しやすい内容になっています。
【目次】
1日目 物も情報も海を通る
2日目 日本のそばにひそむ海底核ミサイル
3日目 大きな国の苦しい事情
4日目 国はどう生き延び、消えていくのか
5日目 絶対に豊かにならない国々
6日目 地形で決まる運不運
7日目 宇宙から見た地球儀
以下は、私がとくに気になった内容の一部です。
核ミサイルはどこにある?
「核兵器は通常、他の国ににわからないところに隠されている。国同士で戦争になった場合、もし核兵器のありかが敵に知られていたら、先にそこが狙われてしまうからだ」
核を最強のアイテムにする3つの条件
「核兵器は、いつまでももぐっているための原子力潜水艦、海の中からミサイルを発射する力、それに潜水艦を隠すための深く、自分の縄張りにできる安全な海という3つを確保できて、初めて最強のアイテムになる」
上述の条件を考えれば、日本は核兵器を隠すことができる絶好な地形を有しています。
広大な領海があり、日本海溝といった深い海底があります。
日本には原子力を稼働させることができる高い技術を持っています。
だからといって、簡単に核兵器を有することにはなりません。
ただ、ロシア、中国、北朝鮮といった日本の隣国は核兵器を保有しています。
難しい立場です。
朝鮮半島の不運な地形
「朝鮮半島は、19世紀から20世紀前半にかけて、日本とロシアや中国との勢力争いの舞台となり、何度も外国の軍隊の戦場になった。その前にも、中国の王朝に支配されたり、王様がいたとしても、中国の臣下のような扱いをされていた」
「しょっちゅう攻められてしまう半島には、主に3つの特徴がある。一つ目は、大きな国と国の間に挟まれていること。二つ目は、ほかの国との境目に川や山など、大きな自然の障害物がないこと。三つめは、豊かな資源や農産物、便利な港といった貴重なものがあることだ」
「クリミア半島も古代から今まで10回以上支配者が変わった」
国は、場所によって、すべてが決まります。
寒い場所に国があれば、暖かいほうへ進出してきます。
国の資源が乏しければ、資源があるほうへ進出してきます。
海がない国であれば、海と港をを求めて進出してきます。
それが戦争という形で、利権を求める戦いが生じます。
誰でもスパイにされてしまう国
「もともと中国は、経済も自分の国で回していくだけで十分で、ほとんど外の世界を必要としていなかった。でも、今は世界の資源が必要だし、作った物を売る先も必要だ。中国が4000年の歴史の中で、これほど外国とのかかわりが必要になったことはかつてない。だから、世界に出て行っているわけだが、ほかの国々とうまくやっていることもは慣れておらず、いろいろな国でトラブルを起こしている。そのトラブルの原因の一つが、どんな中国人も、世界のどこにいようが政府に協力しないといけないという法律だ。まるでスパイのように」
上述の内容は、百田尚樹さんの著書『禁断の中国史』にも、同じようなことが書かれていました。
十把一絡げにしてはならないのかもしれませんが、中国にこのような法律が存在していると、やはり疑心暗鬼になってしまいます。

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