小学生のとき、とにかく音楽が大嫌いでした。
音程どおりに歌わなけばならない、リズムに合わせなければならない、楽器を弾けるようにならなければならない……。
音楽は文字どおり「音を楽しむ」ための教科なのに、教諭から求められることが多すぎました。
本当に音楽が嫌で、通知表も「C」という最低の評価をつけられたことがありました。
こうなったら、もう悪循環の一途です。
音楽がどんどん嫌いになりました。
小学5年生のとき、The Beatles(ビートルズ)に出会いました。
同級生がビートルズが大好きで、ビートルズのカセットテープをたくさん持っていました。
私は、そのカセットテープを借りて、自宅でダビングして、ひたすら聞いていました。
とくに、初期に発売された頃の歌が大好きです。
『Please Mister Postman』は、ビートルズのメンバーの作詞作曲ではありません。
1961年、The Marvelettes(マーヴレッツ)がデビュー曲として発表した作品です。
それを、ビートルズやCarpenters(カーペンターズ)がカバーして発表しました。
ビートルズでは、1963年にアルバム『With the Beatles』に収録されました。
歌詞の内容は、「郵便屋さんにボーイフレンドから私宛の手紙が来てるはずなので、確認してほしい。私はずっとボーイフレンドからの手紙を待っているんだ。お願いだから、もっと探してよ」といった感じです。
本来は女性ボーカルの歌なので、手紙の送り主がボーイフレンドですが、ビートルズがカバーしたときはガールフレンドにアレンジされています。
女性コーラスの歌を、歌詞を入れ替えて発表するという方法も、当時としては斬新でした。
リードボーカルは中音のJohn Lennon(ジョンレノン)ですが、所々で高音のPaul McCartney(ポールマッカートニー)と低音のGeorge Harrison(ジョージハリソン)に入れ替わっている部分があって、3人のコーラスが見事に完成されています。
YouTubeなどの動画配信サービスで『Please Mister Postman』の動画がアップロードされていますが、何度視聴しても格好良いです。
音を楽しむ、好きな歌を楽しむ。
これが音楽です。
小学生のとき、音楽の教諭が「音楽そのものの魅力を教えてくれたら良かった」とビートルズの音楽を聞くたびに思います。
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