一目でわかる文章術

書籍

今年、私が読み終えた書籍を紹介します。

書 籍:一目でわかる文章術 文章は「見た目」で決まる
著 者:石黒圭
出版社:ぱる出版
発行日:2020年3月13日 初版発行(今回も職場から拝借しました)

第1部 記号を駆使する
 第1章 魅せる読点の使い方
 第2章 映えるカッコの使い方
 第3章 引きつける符号の使い方
第2部 文字を使い分ける
 第4章 魅せるフォントの選び方
 第5章 映える片仮名の使い方
 第6章 惹きつける漢字の使い方
第3部 レイアウトを操る
 第7章 魅せる書式の設定
 第8章 映える箇条書きの活用
 第9章 惹きつける見出しの選択
第4部 文章構成を整える
 第10章 魅せる文の作り方
 第11章 映える接続詞の使い方
 第12章 惹きつける段落の作り方と全体構成
第5部 感覚表現を洗練する
 第13章 魅せるオノマトペの使い方
 第14章 映える身体表現の使い方
 第15章 惹きつける比喩の使い方

こちらの書籍は文章術を紹介するものですが、すぐに堅苦しいイメージが払拭されました。
理由は、2つあります。
・ 帯に「文章の「見た目」=読んでもらうための必要条件」と記載されていること
・ 『まえがき』に「Facebook」「Instagram」「Twitter」という言葉が登場していること
現在はSNSなどによって情報が発信され、その数は無限に広がっています。
その中から情報を収拾してもらうには、やはりインパクトのある「見た目」が重要です。
たとえば、「このInstagramの画像を見たい」と思わせるように仕向けなくてはなりません。
著者が「私たちの身の回りには、「読んで!読んで!」と叫んでいる文章が山のように存在しています」と記載されている文を読んで、まさしくそのとおりだと実感しました。
「読んでみたい」と思わせるような「見た目」を作る勉強に最適の1冊です。

第1部では、『映えるカッコの使い方』『惹きつける符号の使い方』が参考になりました。
私は文章を書くときに三点リーダー「…」を使うことがありますが、正しくは「……」と2つ重ねるということを初めて知りました。

第2部では、『惹きつける漢字の使い方』が参考になりました。
まず、文字を使う割合として「漢字:ひらがな:カタカナ=2:7:1」が良いといわれています。
また、漢字で書かないほうがいい副詞、接続詞、形容名詞、補助用言、助動詞、助詞があることです。
たとえば、次のようなものがあります。
・ 副詞… いかに(如何に)、いずれ(何れ)、おおむね(概ね)、なぜ(何故)など
・ 接続詞… および(及び)、すなわち(即ち)、もしくは(若しくは)、ゆえに(故に)など
・ 形容名詞… もの(物)、こと(事)、とき(時)、ところ(所)、ため(為)、わけ(訳)など
・ 補助用言… できる(出来る)、していく(して行く)、したくない(したく無い)など
・ 助動詞… ごとき(如き)、べきだ(可きだ)、ようだ(様だ)など
・ 助詞… ぐらい(位)、まで(迄)、ほど(程)、など(等)など
「読み手が読める漢字を使う必要があり、そのためには常用漢字を意識することが大事である」と書かれています。
たしかに漢字が多く、しかも読めない文字ばかり出てくると、「読みたくないなぁ~」と感じてしまいますよね。

第3部では、パソコンで書類を作成するときの技術などについて記載されています。
これは、私も日頃から意識して書類を作成しています。
パソコンのWordで書類を作成するとき、見出しはゴシック体、本文は明朝体のフォントを使用することが多いです。
また、第1章でも記載されていますが、カッコも意識して使用しています。
最後に、書類を俯瞰し、余白や空白のバランスを考え、見た目を意識して作成しています。
コラムには『書きこまない技術を鍛える』と題し、「ひと昔前の新聞の紙面が典型的に表しているように、文字でびっしり埋まっているのが紙の文章の特徴で、白い部分はできるだけ少なくするのがプロの美学でした、ところが、デジタルの時代になると、むしろ黒い部分をいかに減らすかにプロの書き手は腐心するようになりました。複雑さ・難解さが正義だった昭和から、単純さ・わかりやすさが正義になった平成へ。令和の時代は、この傾向が加速することはあっても、後戻りすることはないでしょう」と書かれています。
今後は、説明不足にならないように、適切な言葉を選び、いかにわかりやすく読み手に伝えるかがされに重要になっていくでしょう。

第4部では、文章の構成について記載されています。
参考になったことが3つあります。
1つめは、同じ接続詞の過剰使用、とくに「また」と「しかし」に注意する必要があることです。
なかでも、「しかし」など逆接の接続詞を多用すると、本意がわからなくなってしまいます。
接続詞ではありませんが、私はなぜか、槇原敬之さんの『もう恋なんてしない』の歌詞「もう恋なんてしないなんて 言わないよ 絶対」という部分を思い出しました。
2つめは、複数ある項目のうち最後の項目であることを予告するマーカーとして「そして」が有効であることです。
3つめは、結論(主題文)を先に提示すれば、何のために書かれた文章であるかをあらかじめ理解してから読み進めることができるため、読み手に負担の少ない文章型であるといえることです。
相手に説明するときも「結論から先に話す」が主流になっています。
文章も同じですね。

第5部では、感覚表現について記載されています。
オノマトペ、身体表現、比喩の使い方です。
小説家など文章で表現する人は、この3つの使い方がとても上手です。
文章を読んでいるだけで情景が目に浮かぶような表現力こそが、小説家の真骨頂です。

せっかく作成した文章であっても、それを手に取ってもらわなければ、読んでさえもらえません。
まずは「文章を読みたい」と思わせる技術がなにより重要です。
文章も人も『第一印象』からスタートです。

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