今年、私が読み終えた書籍を紹介します。
書 籍:世界史を突き動かした英仏独三国志 -対立と協調の欧州500年史-
著 者:関眞興
出版社:ウェッジ
発行日:2020年12月20日
(初版第1刷を購入することができました。)
1章 中世から近世へ
・ 16世紀前半… キリスト教会からの自立(ローマ教皇と決別し主権国家を形成)
・ 16世紀後半… 英・仏・独の発展、スペイン没落(アルマダ海戦が西欧秩序を変革)
2章 近世から近代へ
・ 17世紀前半… 旧教と新教の争いはやがて領土争いに(三十年戦争と清教徒革命)
・ 17世紀後半… 英・仏・独の中央集権化(イギリス革命とルイ14世)
・ 18世紀… 第2次英仏百年戦争(「長い18世紀」に起こる相次ぐ戦争)
・ 18世紀後半… 親子喧嘩で親が敗北(アメリカ独立革命と三国の関係)
3章 近代
・ 18世紀後半… 「自由」を実践する時代の始まり(フランス革命と啓蒙思想の広まり)
・ 19世紀初頭… フランス革命の理念を広げた(ナポレオンによるヨーロッパ支配)
・ 19世紀前半… 勢力均衡は疑心暗鬼の裏返し(国際会議で維持したウィーン体制)
・ 19世紀半ば… 産業革命の進展と交通革命 (パクス=ブリタニカ時代の国民国家)
・ 19世紀末… ビスマルクの失脚から始まった(帝国主義時代と海外進出)
4章 20世紀の2つの戦争
・ 1914~1918年… 第一次世界大戦(植民地を巡り欧州の戦いが世界に波及)
・ 1939~1945年… 第二次世界大戦(世界恐慌を機にドイツの不満が表面化)
5章 凋落と統合の冷戦時代
・ 1945~1960年… 戦禍からの再建(英・仏・独が指導力を落とし冷戦へ)
・ 1960年代… 奇跡の経済復興(経済活況のなかで冷戦は深刻化)
・ 1970年代… 高度経済成長時代の終わり(石油ショックによる世界経済の混乱)
・ 1980年代… 新自由主義の始まり(大きな政府小さな政府、対極の改革)
6章 苦悶するEUの時代
・ 1990年代… ソ連崩壊(東欧の独立により変化を迎えるEC)
・ 2000年代… 右翼勢力の台頭(テロと経済危機が愛国主義を呼び起こす)
・ 2010年代以降… EUの動揺(EU分裂の危険をはらむブレグジット)
最近、世界史に関する書籍を購読し、とくにイギリスと中国の近現代史に興味があります。
イギリスは世界の覇権を握り、世界に多大な影響を与えた国でした。
一方、中国は清の時代から欧米列強などによる影響を大きく受けた国でした。
16世紀から現在に至るまでの英仏独の関わり合いについて、三角形で図式化しているところが解りやすかったです。
ヨーロッパは、とにかく戦争が多い…。
「人類の歴史は戦争の歴史である」という言葉があるように、戦争によって時代が動いていることを感じました。
第二次世界大戦後はドイツが二分されたため、W独とE独という表記がされています。
私が学生時代のとき、ドイツは二分された状態で、ロシアもソビエト連邦という国名で勉強しました。
そのように考えると、世界が大きく動いている時代に私は生きていることをあらためて実感します。
イギリスがEUから離脱したことで、国内で賛成派と反対派による衝突が懸念されています。
著者は『混迷する現代を生きるわれわれが世界の歴史から学ぶべきは、「対立と協調」にあるのではないかと思います』と記載されています。
国対国という大規模な単位であれ、人対人という小規模な単位であれ、みなこの2つを繰り返しながら生きています。
「対立したとき、どのように切り抜けていくか」
そこに、人の未来がかかっています。
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