今年、私が読み終えた書籍を紹介します。
書 籍:砂糖の世界史
著 者:川北稔
出版社:岩波ジュニア新書
発行日:1996年7月22日 第1刷発行(2021年6月15日 第41刷を購入しました)
プロローグ 砂糖のふしぎ
第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか
第2章 カリブ海と砂糖
第3章 砂糖と茶の遭遇
第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化
第5章 茶・コーヒー・チョコレート
第6章 「砂糖のあるところに、奴隷あり」
第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」 ―労働者のお茶―
第8章 奴隷と砂糖をめぐる政治
第9章 砂糖キビの旅の終わり ―ビートの挑戦―
エピローグ モノをつうじてみる世界史 ―世界史をどう学ぶべきか―
今年8月3日に掲載した日記で、『「なぜ!?」からはじめる世界史』という書籍を紹介しました。
そのなかで、『砂糖の世界史』が薦められていました。
子ども向けの書籍なので、とても解かりやすく丁寧に書かれています。
今日の日本では当たり前のようにある砂糖ですが、そのルーツは奴隷と直結しています。
その事実を決して忘れてはなりません。
世界史を学ぶと「三角貿易」という言葉がたびたび登場します。
私が知るかぎり、1つは奴隷と砂糖の貿易、もう1つはアヘン密輸の貿易です。
第2章では、奴隷貿易について、エキアノという人の自叙伝が取り上げられています。
エキアノは、10歳前後でヨーロッパ人から与えられた鉄砲をもつ沿岸部の黒人王国の人々によって、「奴隷狩り」の対象とされました。
家族から切り離され、カリブ海の砂糖植民地に送られた奴隷にとって、もっとも悲惨な体験は、大西洋をこえて、運ばれるときの航海そのものでした。「中間航路」とよばれたこの航海では、奴隷商人たちは可能なかぎりぎっしりと奴隷を積み込み、飲み水も十分には用意しなかったので、航海の途中で脱水症状を起こしたり、伝染病にかかったりして亡くなる奴隷があとを絶ちませんでした。(一部省略)
第3章では、「茶と砂糖のランデブー」と題し、「アジアの東の端で採れた茶と、西の端のカリブ海の砂糖が、イギリスで出会ったことがすべての始まりだったのです。」と書かれています。
第9章に、砂糖きびに代わるものとして『ビート』について書かれています。
別名、砂糖大根、甜菜とも呼ばれます。
十勝地方はビートの栽培が盛んであり、芽室町には巨大な製糖工場があります。
この章の最後のほうに、次のような文章が記載されています。
経済的に豊かになり、「飽食の時代」となったいまでは、砂糖は健康と美容の敵ということにされがちです。(中略)砂糖の歴史的使命は、もはや終わろうとしているのかもしれません。
その他、イギリスではコーヒーより紅茶が重宝された理由なども書かれており、とても興味深い内容がたくさんありました。
子ども向けの書籍ですが、世界史を学ぶ人は必読の価値があります。
大航海時代、植民地、プランテーション、奴隷制度、三角貿易、産業革命が相互に繋がっていきます。
砂糖の歴史を知るための、とても貴重な1冊でした。
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