今年、私が読み終えた書籍を紹介します。
書 籍:文法のおさらいでお悩み解消! スッキリ文章術
著 者:時田昌
出版社:ぱる出版
発行日:2019年11月11日 初版発行(今回は職場から拝借しました)
第1章 主語・述語と修飾語… 言葉と分を正しく対応させてスッキリ!
第2章 助詞… 助詞の使い方とコツを覚えてスッキリ!
第3章 読点と接続詞… 読点と接続詞の使い方をマスターしてスッキリ!
第4章 敬語… 尊敬語、謙譲語、丁寧語の違いを理解してスッキリ!
第5章 正しい言葉遣い… 日本語の言い回しや文法のルールを知ってスッキリ!
こちらの書籍は、文章術というより日本語の学習本といったほうが望ましい内容でした。
“はじめに”の章で、早速、「以下の例文の問題点を指摘しなさい」と出題がありました。
このような書籍を読むと、私が掲載したブログや職場で作成する書類の拙さが現れてしまい、恥ずかしくなります。
本書を読み進めていると、私が中学生や高校生のときに国語が大嫌いだった理由が判明しました。
第1章で、「主語一つ、述語一つの関係にすると、文がすっきりする。」「文の中で、一つの主語に対して述語が重ならないようにする。」という記載がありました。
国語の文章問題で、文が長々しく書かれていて「結局、これは何が言いたいのだろう?」と首を傾げることが多々ありました。
もし、上述のルールで書かれた文章ならば、「もっと読みやすく、意味も理解しやすかったのに……」と感じました。
第2章では、助詞がテーマです。
よく「て」「に」「を」「は」の使いかたが難しいと言われますが、本書では1つずつ丁寧に解説されています。
「も」には、”①対比の形で示す ②予想外、想定の範囲を超えることが起きたことを示す ③同じ事情、境遇であろう事柄を暗示、類推させる ④強調する意識を込める ⑤副詞に付いて強調する”の5つの役割があることを知っていましたか?
また、「に」と「へ」の違いについて、”「に」は帰着点(場所)を表し、「へ」は動作の方向を示す。”ということを、あらためて知ることができました。
コラムにて、”直撃する”をいう動詞を例にして「に」と「を」の役割を取り上げています。
「台風が関東地方に直撃」
「台風が関東地方を直撃」
みなさんは、どちらが正しいと思いますか?
第4章は、敬語がテーマです。
敬語は、助詞と同じぐらい難しいものです。
「お(ご)~になる」の形のほうが、「~れる/~られる」の形より尊敬の度合いが高い。
あらためて気づかされた内容でした。
また、コラムには「ビジネス勘違い敬語」や「マニュアル敬語」について掲載されています。
・ 私が会議室にご案内させていただきます。
・ 私が会議室にご案内します(ご案内いたします)。
最近は、「~させていただく」という表現が多用されている感じがします。
次の文は、どちらが正しい尊敬表現だと思いますか?
① 1台3980円と、大変お求めやすい価格です。
① 1台3980円と、大変お求めになりやすい価格です。
② ご注文は以上でよろしかったでしょうか。
② ご注文は以上でよろしいでしょうか。
③ 1万円からお預かりします。
③ 1万円お預かりします。
③ 1万円頂きます。
第5章は、正しい言葉遣いがテーマです。
「普段使っている言葉は、本当にそれでいいのか、はやり言葉や俗語などではないか、確認する癖をつけよう。」と記載されています。
私が演説をすることになったとき、上司に「言葉を調べるように」と厳しく指導されたことを思い出しました。
言葉を誤用していないか、辞書で調べながら原稿を作成したので、本当に苦労しました。
その癖がついたおかげで、語彙力が身についたと思います。
そのせいか、会話でも「話し言葉」ではなく「書き言葉」で話すように意識するようになりました。
・ すごく(おいしい) → とても(おいしい)
・ 私的には… → 私としては
・ 思ってる → 思っている
・ (楽しい)けど → (楽しい)けれども
・ 問題じゃない → 問題ではない
・ 雨みたいだ → 雨が降るようだ
・ だったら → だとしたら
話し言葉を実際に書いてみると、やはり違和感があります。
正しい言葉遣い、丁寧な言葉遣いをして、損は何ひとつありません。
私が”Word”を使って文章を書いていると、ときどき緑色の線で指摘が入ります。
それが、二度目の「たり」を忘れてしまうことです。
こちらの書籍の例文を引用すると、「飛んだりはねて、喜んだ。」というものです。
正しくは、「飛んだり跳ねたりして、喜んだ。」です。
これは極端な例えですが、文が長くなると二度目の「たり」を忘れてしまいがちになります。
“Word”で文法の誤りを指摘してくれるのは、本当にありがたいことです。
「辛い食べ物は全然大丈夫です。」
これ、私も使ってしまうことがあります。
「少しも」「決して」「まったく」「全然」は、文法的に言うと否定形で受けるはずの副詞です。
正しくは、「辛い食べ物は全然大丈夫ではありません。」です。
最後に、私が勉強になったのは、『「べき」で止めずに「べきだ」とすべし』です。
連体形で文を終わらせてはならないということです。
今回は、2日間で読み終えました。
このような書籍を読むと、「自分が日常つかっている言葉は正しいのか」と考えさせられます。
言葉のつかいかたを再点検するためにも、おすすめの1冊です。
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