【図解】新・地政学入門

書籍

書 籍:世界の「今」を読み解く! 【図解】新・地政学入門
著 者:高橋洋一
出版社:あさ出版
発行日:2022年12月28日 第1刷発行(2023年2月7日 第5刷を購入しました)

3月24日のブログで、『13歳からの地政学』を掲載しました。
私が、世界史から地政学へ興味が広がった1冊でした。
『13歳からの地政学』は中学生向きの内容でしたので、とても解りやすかったです。
そこで、地政学についてもっと掘り下げて学習しようと思い、今回の書籍を購入しました。
こちらも”入門書”と明記されているので、解りやすい内容でした。

【目次】
プロローグ よりよい、より広い土地を巡る「戦争の歴史」―地政学
第1章 とにかく「広い海」が欲しい 中国の地政学
第2章 昔も今も「南」へ向かいたい ロシアの地政学
第3章 争いを経て作られた「共同体」 ヨーロッパの地政学
第4章 かつての「世界の警察官」 アメリカの地政学
エピローグ 日本の現在と今後を考える

プロローグにて、「民主主義国家同士は戦争をしない」という、国際政治理論が記されています。
民主国家は独裁国家に比べ、「戦争を起こす確率が絶対的に低い」といえる。なぜなら、民主主義という政治システムは、根本的に戦争と相容れないからだ。」

エピローグにて、第二次世界大戦以降に起こってきた戦争の数を見る限り、現在の最大のリスク地帯はアジアといえるのである。では、なぜアジアでは紛争が多いのか。と提起しています。
国際政治理論を当てはめると、「アジアで戦争が多いのは、アジアには民主主義国家が少ないから、といえるのである。」と記されています。

地政学で考えれば、日本は戦争に巻き込まれるリスクが非常に高いと言えます。
日本の周囲には民主主義国家が少ないこと、核を保有している隣国が3つもあることがあげられます。

国際社会は「なめるか、なめられるか」の世界でもある。
三谷幸喜さんが原作のドラマ『古畑任三郎 ーすべて閣下の仕業―』で、松本幸四郎さんが日本特命全権大使の役を演じた話がありました。
松本幸四郎さんが演じる黛竹千代閣下が、外交について、古畑任三郎(田村正和さん)に言った言葉が思い出されました。
「よその国家と上手くやっていく唯一の方法は、相手になめられないということなんです」

日本と戦争を考えるうえで、必ず話題になるのは“集団的自衛権”です。
日米安全保障条約において、日本はアメリカと同盟を結んでいます。
同盟のジレンマとして、「戦争に巻き込まれる恐怖」「同盟国から見捨てられる恐怖」があります。
これは、石破茂衆議院議員もテレビ番組で話していた内容です。

ウクライナの現状をみて、もし日本が敵国に襲撃された場合、個別的自衛権だけで対応することができるでしょうか。
自国を守るためにNATO(北大西洋条約機構)に加盟しようとしている国に対して、集団的自衛権を否定する説明をすることができるでしょうか。
自国が不戦を掲げていても、相手がそれに応じる確固たる根拠は何ひとつありません。
日本を守るために、現実的に考えるきっかけになる1冊です。

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