「首都」の地政学

書籍

書 籍:「首都」の地政学
著 者:内藤博文
出版社:朝日新書河出書房新社
発行日:2023年8月30日(今回は第1刷を購入することができました)

【目次】
第1章 北京に見る軍事主体の地政学
第2章 ベルリンに見る東方拡大の地政学
第3章 モスクワに見る西方抑止の地政学
第4章 ロンドンに見る大陸関与の地政学
第5章 デリーに見る北西監視の地政学
第6章 イスタンブールに見る帝国再興の地政学
第7章 ワシントンに見る覇権主義の地政学
第8章 ソウルに見る「力放棄」の地政学
第9章 東京に見る開拓精神の地政学

こちらの書籍を購入したきっかけは、世界史を学ぶことができることと、国ではなく首都をテーマにした地政学に興味をもったことです。
首都をテーマに地政学を記した書籍は、私はこちら以外に知りません。

書籍の内容は、目次にほぼ列挙されています。

中国では、国内における南北の勢力による覇権争いの場となったのが北京です。

ベルリンは、なぜドイツの中心にないのでしょうか。
首都というのは、その国の最後の砦になる場所です。
戦争になったとき、首都が陥落すればその国の敗戦がほぼ決まります。
そのため、国が首都を定めるときは、国の中心にある位置の都市を選定することが多いです。

インドの首都であるデリーは、なぜパキスタン側にあるのでしょうか。
目次で記載されているとおり、北西から異民族が侵入するのを監視するためです。
パキスタンが弱ければ、アフガニスタンがインドに侵入してくる危険性があるからです。
そこで、パキスタンにある程度インドに対する敵対心を根づかせて、パキスタンを弱体化させないためにデリーを首都に選定したといった記載がされています。

第6章では、イスタンブールが地政学のテーマになっています。
イスタンブールは首都ではありません。
トルコの首都は、アンカラです。

日本は、なぜ首都を京都から東京へ移したのでしょうか。
東京の目の前には太平洋が広がり、その先にはアメリカがあります。
東京を首都とすることで、開拓精神によって世界進出を目指していきました。
それは、現在も続いています。

私は、東京から遠方に居住しています。
東京へ訪れる機会は、数年に一度あるかないかです。
もし、私が首都である東京に生まれ、東京で育っていたのならば、どのような人間になっていたのでしょうか。
おそらく、現在のような生活環境や考えかたではなかったでしょう。
東京には、ここにはないものがたくさんあります。
そのため、「東京へ行く」というだけで、気持ちが高揚します。

かつての上司が、仕事の考えを教えてくれました。
「日本の中心を見なさい」
「日本の最先端を学びなさい」
「首都である東京がどのように動いているか、意識しなさい」

そのため、一度だけですが、ある全国大会に同行させられました。
当初は「面倒くさい」と思っていましたが、実際に大会に出場すると、「自分たちが日ごろ行なっている仕事はこれでいいのか?」と考えさせられました。
そのような機会を与えてくださった上司に、今でも感謝しております。

 

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