『樺戸集治監』を初めて知ったのは、河﨑秋子氏が執筆した書籍『愚か者の石』である。
その舞台になったのが樺戸集治監と釧路集治監であり、当時の集治監の様子を想像することができるように細かく描かれている。
たとえば、囚人が船から降りて集治監まで移動するときの囚人の心境や集治監の近くで生活している住民の心境などの様子が感じられる。
また、囚人(=受刑者)がなぜ赭色の服を着用するのか? といったことを知ることができる。
かなり前になるが、網走監獄を訪れたことがある。
そこでは、いくつのも人形が配置されており、当時の生活や服役の様子を知ることができる。
何よりも厳冬の北海道を過ごさなければならない状況は想像するに難くない。
樺戸集治監は北海道樺戸郡月形町にある。
現在の施設名は月形樺戸博物館である。
「月形町」の名前の由来について、月形樺戸博物館を訪れて初めて知った。
樺戸集治監は、アニメ『ゴールデンカムイ』のモデルにもなっている場所である。
実際に独房の様子を実際に見学することができる。
樺戸集治監では、鉄球がついた足枷を実際に体験することができる。
また、当時の配水管の様子を展示しているコーナーがある。
当時の状況を考えれば当たり前のことかもしれないが、木製のものが展示されていた。
それに気づかされた。
丸太の中央部分を筒状にくり抜いて、そこに水を通す。
現在もインフラの老朽化が問題になっているが、当時はそれ以上に老朽化が早かったのかもしれない。
集治監によって発展した地域はいくつかある。
帯広もそのひとつである。
今度は、釧路集治監を訪れてみたい。
冒頭でも述べたが、釧路集治監も河﨑秋子氏『愚か者の石』に登場している。
書籍によると、こちらの服役作業は「硫黄の発掘」のようだ。
弟子屈町にある観光地「硫黄山」を訪れたことがあるが、非常に危険な場所だ。
現地を知るだけでも、肺疾患、酸欠、火傷、滑落などの危険が伴うことが想定される。
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