書 籍:21世紀版 少年少女世界文学館14 赤毛のアン
著 者:ルーシー=モード=モンゴメリー(村岡花子 訳)
出版社:講談社
発行日:2011年1月17日(2014年9月12日 第4刷を借用)
【目次】
割愛
【なぜ購入したのか】
10月は里親月間であり、そのポスターのモデルが『赤毛のアン』であった。
昨年も同様であった。
私は『赤毛のアン』という本を知っていたが、内容はまったく知らなかった。
なぜ、里親月間のモデルが『赤毛のアン』なのかを知りたくて、知人から本を借りた。
インターネットで「里親」と検索しても上位は犬猫に関する里親のことが表示され、人の里親に関するものは情報量が圧倒的に少ない。
【どこが気に入ったのか】
マシューとマリラの夫婦は、孤児院から男の子を引き取る予定であった。
しかし、仲介者の手違いによって11歳のアンを紹介された。
おおらかな性格のマシューは、アンの想像豊かな話題に惹かれていった。
一方、何事にも厳しいマリラはアンの受け入れを反対していたが、次第に惹かれていった。
アンはさまざまな出来事に遭遇しながらも、マシューとマリラによって大切に育てられていった。
アンの豊かな創造性と、マリラがアンに対する愛情を変化させる姿が良かった。
【どのように活用するか】
アンはマシューとマリラの家に来たとき、いつも「孤児院へ返される…」という不安でいっぱいだった。
そのため、いわゆる「良い子」でいなければならなかった。
マシューとマリラの愛情によって、次第にアンは本当の自分のままで生活することができるようになった。
社会的養護で育っている子どもは、つねに「別のところへ移動させられるかもしれない…」という不安に怯えながら生活しているのではないか。
最近は「居場所づくり」が広がっているが、やはり半永久的なものではない。
人はみな安住の地を求めている。
それは大人だって同じことである。
ひとつでも「不安」を取り除くことができれば、人は心に余裕をもつことができる。
そうすれば、人に優しくすることができる。
子どもを不安にさせない支援が大事であることを考えさせられた本であった。


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