夏川草介『スピノザの診療室』

書籍

書 籍:スピノザの診療室
著 者:夏川草介
出版社:水鈴社
発行日:2023年10月25日(初版第一刷を購入)

【目次】
第一話 半夏生
第二話 五山
第三話 境界線
第四話 秋

【なぜ購入したのか】
これまでもブログで掲載しているが、購入したきっかけはBSテレ東の番組『あの本、読みました?』で本書が紹介されていたからであり、著者も出演してした。
この番組で、ドラマ『神様のカルテ』の原作者であることを知った。

本書はブログを一新する前にも掲載していたが、以前のものはすべて削除したため、あらためて掲載することにした。

【どこが気に入ったのか】
主人公である雄町哲郎は、いわゆる町医者である。
その雄町医師の人情味あふれる物語だ。
著者自身は現役の医師である。
物語として予想外の展開は感じられなかったが、私は、医師としてひとりの人間として患者に向き合う姿がとてもステキだと思った。

【どのように活用するか】
私は医師ではないし、医師になることもできない。
私は、病院で家族の最期を看取った。
家族の死亡を確認したのは、かかりつけ医(=主治医)ではなかった。
もし、主治医が家族の死亡を確認していたら、私にどのような言葉をかけてくれたのだろう。
そのようなことを思い出させた一冊である。

私は直接医療にかかわる仕事をしていない。
命に向き合う仕事をする人は、どのような思いで日々を過ごすのだろうか。
たとえば、休日でも患者のことを一瞬でも考えるのだろうか。

少し話は逸れるが、医療は一極集中することが否めない。
また、訪問診療を行っている病院や診療所が少ないのが現状である。
最近、医療崩壊という言葉を見聞きする。
医療崩壊を防ぐために、私ができることは何だろう?
私自身ができることは、まず処方薬を正しく服用することだと考えた。
仕事上、処方薬を正しく服用せずに破棄する場面を見かけることがあった。
それは『非常にもったいない』と感じる。
内服薬のみならず外用薬も同様である。
たとえば、『念のため』と思って、必要以上に経費鎮痛消炎剤いわゆる湿布を処方してもらったり溜め込んだりしている人はいるのではないだろうか。
制度としては、無料で受診できる仕組みを見直す。
少額でも支払いが生じれば受診の考えかたも変わるかもしれない。

 

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