湊かなえ『告白』

書籍

書 籍:告白<限定特装版>
著 者:湊かなえ
出版社:双葉社
発行日:2023年3月25日(初版を購入)

【目次】
第一章 聖職者
第二章 殉教者
第三章 慈愛者
第四章 求道者
第五章 信奉者
第六章 伝道者

【なぜ購入したのか】
良いことや立派なことをするためのいちばん簡単な方法とは?
上述のブログで記載したとおり、『告白』を購入したきっかけは、BS テレ東の番組『あの本、読みました?』で【湊かなえ】大特集 ―『告白』『母性』を視聴したからである。
限定特装版の発行年月日は2023年であるが、本来の発行年月日は2008年8月5日である。
そのため、『告白』の累計売上部数は300万部を超えているようだ。

【どこが気に入ったのか】
すべての章で主人公が異なり、それぞれの立場で事件について語っていく。
被害者、善意の第三者、加害者の親、共犯者、加害者、そして…。

『白ゆき姫殺人事件』も『告白』も文章のすべてが話し言葉で書かれている。
つまり、発言はもちろんのこと、登場人物の思いや考えなども口語体で書かれている。
章ごとにそれぞれの立場で描写されているから、私では想像し得なかった心情を思い知ることができた。
著者は実際に殺人事件をしたことがあるかのような描写が強烈に印象に残った。
客観的なこと、たとえば風景などもすべて登場人物の発言や思いで描かれている。

【どのように活用するか】
作品に「馬鹿」「失敗作」といった相手を卑下する言葉が用いられている。
登場人物がそれらの言葉を軽々しく使う。
はたして、自分は相手を卑下するほど優秀なのか? 偉いのか? 成功者なのか?
自分の考えを一方的に「正義」と決めつけ自分の考えに賛同しない人を悪と罵る
その「慢心」こそが、愚かの第一歩なのではないか。

 

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