自身のことを「成功者」と言っている人は『平家物語』を読んだほうが良い

教訓・人生

YouTubeやInstagramなどのSNS動画を視聴していると、いわゆる自身を『成功者』と称して自身の考えやこれまで自身が取り組んだことなどを配信しているものを見かける。
私には成功者の定義がわからない。

会社を経営しているから成功者?
収入の多い人が成功者?
資産をたくさん持っているから成功者?
結婚している人が成功者?
子どものいる人が成功者?

いすれも現時点である。
最近、私が視聴していた動画がある。
会社を設立して10年ほど経つ30代の社長が、自らの経営やこれまでの経験を説明するものである。
もし、明日、1年後、10年後に倒産しても成功者といえるのだろうか。

自身を成功者と称して自伝を発行する人は、ただの自惚れのような気がしてならない。
たとえば、経営者ならば自身の会社が倒産するおそれがあることを承知しているはずである。
それを現時点までの評価だけで「成功者」と豪語するのはいかがなものか?

人生半ばで自惚れていると、どうしても慢心や油断が生じる。

成功というものは、自分が往生する直前に『良い人生だったなぁ~』『幸せだったなぁ~』と思うことができる人が成功者だと私は思う。

『平家物語』に有名な冒頭がある。
平家が勢いに乗じて驕り高ぶり、滅亡した話である。
現時点の自身をもって「成功者」というのは、早計だと思う。

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす
驕れる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
猛き者もつひには滅びぬ
ひとへに風の前の塵に同じ

歴史を学び、歴史から学ぶことは、とても大事。

 

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